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大麦と小麦の違いは?

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小麦と大麦は何千年も前から人類によって栽培されており、最も早く家畜化された植物の一つです。

今では、世界主要作物のうちの2つであり、食品や飲料の生産、動物の飼料として使用されています。

表面上は非常に似ている小麦と大麦ですが、処理方法や使用方法、栄養、健康への影響などの点で、いくつか大きな違いがあります。

この記事では、小麦と大麦の最も重要な違いについてお伝えしていきます。

歴史と特徴

小麦と大麦は約1万年前に中東で初めて家畜化され、それ以来、人間と家畜の食事の重要な一部となっています。

どちらもイネ科に属しており、イネ科の作物は他にイネ、サトウキビ、トウモロコシなどがあります。

穀粒はイネ科の植物の果実部分となります。これらの果実は植物の「トゲ」もしくは「頭」部分にあり、トウモロコシの穂のように縦にきれいに並んでいます。

ひとつひとつの穀粒は3つの層で構成されています。

一番内側の胚芽層は、栄養を豊富に含んだ核です。この外側にあるのが胚乳とよばれるもので、主に炭水化物とタンパク質を含み、胚芽層にエネルギーを供給する役目を持っています。外側の層はふすまと呼ばれるもので、食物繊維、ビタミンB群が豊富であり、微量ながらミネラルも含まれています。

どちらの穀物も家畜化以来、様々な品種や亜種として栽培されてきました。

最も一般的に栽培されている小麦の品種は、パン小麦です。その他にデュラム小麦、アインコーン、エンマー、スペルト小麦などがあります。

大麦には、二条大麦、六条大麦、はだか大麦と一般的に3つのタイプがあります。これらの3つのタイプは全てHordeum vulgareという学名で知られています。

まとめ

大麦と小麦は、最も早くから家畜化された作物の一つです。どちらもイネ科に属しており、穀粒はイネ科植物の果実部分であり、一つ一つの穀粒は内胚芽、胚乳、ふすまでの3層で構成されています。

加工と用途

小麦

小麦は使う前に製粉する必要があります。製粉とは、穀粒を割ってふすまや内胚芽を胚乳から分離し、胚乳部分を粉砕して小麦粉にする作業のことを指します。

全粒粉には、胚乳だけでなく胚芽、ふすまの全ての部分が含まれていますが、通常の製粉には胚乳のみが含まれています。

製粉された小麦粉は、パン、ビスケット、クッキー、パスタ、麺類、セモリナ、ブルグル、クスクス、朝食用シリアルを作るのに使用されています。

小麦は発酵させることで、バイオ燃料、ビール、その他のアルコール飲料を作るためにも使われます。また少量ではありますが、家畜の飼料としても使用されています。

大麦

大麦は小麦と違って使用する前に粉砕する必要はありませんが、通常は一番外側の層である皮を取り除きます。

皮むきされた大麦は、ふすま、胚乳、胚芽がそのまま残っているため、全粒穀物です。食用としては、大麦は精麦されることが多いです。これは、外皮とふすまの両方を取り除き、胚芽層と胚乳層だけを残すことを意味します。

大麦は歴史的に世界の多くの地域で重要な食糧源とされてきましたが、過去 200 年の間に大部分が小麦や米などの他の穀物に取って代わられました。

現在では、大麦は主に家畜の飼料として使用されたり、ビールなどのアルコール飲料に使用する麦芽として使われています。しかし、少しではありますが、人にも食料として消費されています。

皮むき大麦も精麦された大麦も、お米と同様に調理することができ、スープやシチューによく使われています。また、朝食のシリアル、オートミールやベビーフードにも含まれています。

大麦は、精麦したものを製粉して粉として使うこともできます。製粉されたものは栄養価を高めるために小麦由来の粉製品と一緒に使われることが多く、パン、麺類、焼き菓子などに使われます。

まとめ

小麦は製粉されて小麦粉になり、パンなどの焼き菓子に使われます。大麦は主に家畜の飼料やアルコールの製造に使われますが、お米と同じようにそのまま調理したり、製粉して粉として小麦粉のように使うこともできます。

栄養素詳細

大麦と小麦の栄養成分は、それぞれどのような加工がされたかによって異なります。

小麦から作られた小麦粉には通常、胚乳成分だけが含まれていますが、全粒粉には穀物のすべての部分が含まれています。

料理に使用される大麦は、一般的に皮の部分だけを取り除いた状態ですが、精麦してふすま部分も取り除いて使う場合もあります。

栄養素

ここでは、100グラムの全粒粉、精製小麦粉、皮むき大麦、精麦された大麦の栄養素含有量を比較しています。

全粒粉

精製小麦粉

皮むき大麦

精麦大麦

カロリー

340

361

354

352

炭水化物

72g

72.5g

73.4g

77.7g

たんぱく質

13.2g

12g

12.5g

9.9g

脂肪

2.5g

1.7g

2.3g

1.2g

繊維

10.7g

2.4g

17.3g

15.6g

カロリー、炭水化物、タンパク質、脂肪は、加工の有り無し関係なく、ほとんど変わらないことがわかります。

しかし、小麦は製粉すると食物繊維の多くが失われてしまいます。全粒粉の場合は、ふすまが含まれているため、食物繊維が非常に多く含まれています。

一方、大麦は食物繊維が非常に豊富で、アメリカ心臓協会が推奨する一日の摂取量である25グラムの6070%を摂取することができます。

大麦の食物繊維はふすまにだけ含まれるのではなく、穀物全体に含まれているため、精麦した大麦ではふすまの層が取り除かれてはいますが、それでもかなりの量の食物繊維が残っています。

ミネラル

100グラムの全粒粉、精製小麦粉、皮むき大麦、精麦された大麦に含まれるミネラルの量を比較してみましょう。

DV1日の摂取目安量を指します。

全粒粉

製粉小麦粉

皮むき大麦

精麦大麦

マンガン

DV177

DV34

DV85

DV58

DV46

DV20

DV55

DV47

亜鉛

DV24

DV8

DV25

DV19

リン

DV29

DV8

DV21

DV18

DV20

DV5

DV20

DV14

マグネシウム

DV33

DV6

DV32

DV19

カリウム

DV8

DV2

DV10

DV6

小麦と大麦どちらにもミネラルが豊富に含まれています。しかし、どちらも加工中に多くが失われてしまい、特にそれは小麦粉で顕著です。鉄分は通常、全粒粉製品の鉄分に合わせて、製粉された小麦粉には後から添加されます。

小麦には特にマンガンが多く含まれており、全粒小麦粉と皮むき大麦には亜鉛、鉄、マグネシウム、カリウムが同程度の量含まれています。

皮むき大麦、精麦大麦どちらとも、製粉された小麦粉に比べて全てのミネラル含有率が高く、ミネラルの供給源として優れているといえるでしょう。

ビタミン

100グラムの全粒粉、精製小麦粉、皮むき大麦、精麦大麦のビタミン含有量を比較してみましょう。

DV1日の摂取目安量を指します。

全粒粉

製粉小麦粉

皮むき大麦

精麦大麦

チアミン

DV42

DV7

DV54

DV16

ナイアシン

DV31

DV6

DV29

DV29

ビタミンB6

DV24

DV2

DV19

DV15

ビタミンB5

DV12

DV9

DV6

DV6

葉酸

DV11

DV8

DV5

DV6

リボフラビン

DV13

DV5

DV22

DV9

ビタミンE

DV5

DV3

DV4

DV0

皮むき大麦は小麦よりもチアミンやリボフラビンを豊富に含んでいます。逆に、小麦はナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB5、葉酸、ビタミンEを大麦より少し多く含んでいます。

しかし、小麦を製粉して小麦粉にするとすべてのビタミンが大幅に失われ、精麦をした大麦ではチアミン、リボフラビン、ビタミンEが大幅に失われてしまいます。

まとめ

小麦と大麦は非常に栄養豊富です。しかし、小麦の場合製粉して小麦粉にする際に、かなりの量の食物繊維、ミネラル、特定のビタミンが失われてしまいます。大麦も精麦をすると栄養価が低下します。製粉プロセスにおいて失われたビタミンB群は、全粒粉に合わせて加工後に後から添加されます。

小麦と大麦の健康効果

大麦と小麦の健康へのメリットや体に与える影響の違いだけなく、2つの穀物がセリアック病、小麦アレルギー、過敏性腸症候群(IBS)、メタボリックシンドロームなどの症状にどのように影響するかをここでは紹介していきます。

セリアック病と非セリアック性グルテン過敏症

セリアック病として知られる自己免疫疾患を持つ人は、グルテンと呼ばれるタンパク質が腸の内膜を傷つけてしまい、その結果、お腹の張り、鉄分不足、便秘、下痢、体重減少、さらには子供の場合、成長不良などの症状を引き起こす可能性があります。

さらに、セリアック病でなくても、グルテンを含む食品を食べると、膨満感、ガス、痛みなどの症状を経験する人もいます。

大麦と小麦どちらにもグルテンタンパク質の一種が含まれています。小麦にはグルテニンとグリアジンが含まれており、大麦にはホルデインが含まれています。

そのため、グルテンに耐性がない人は、小麦も大麦も避けるべきです。

小麦アレルギー

小麦アレルギーは、小麦に含まれる様々なタンパク質に対する免疫反応であり、大麦でも一部共通した反応が起こります。

アレルギー反応には、発赤、かゆみ、下痢などの軽度の症状から、喘息やアナフィラキシーショックなどの重度の症状まであります。

小麦と大麦にはいくつか共通したタンパク質が含まれますが、小麦アレルギーのほとんどの人が大麦にはアレルギーを持っていません。実際、大麦アレルギーは比較的まれで、まだ良く研究されていません。

しかし、大麦アレルギーを持っている場合、もしくは大麦アレルギーに対して懸念がある場合は医師に相談するのが最善です。

過敏性腸症候群(IBS

大麦も小麦も、フルクタンとガラクトオリゴ糖(GOS)として知られる糖質を含んでいます。

フルクタンは、果物や野菜によく見られるフルクトース糖が鎖で連結した重合体です。GOSはガラクトース糖の重合体です。

これらの糖はどちらも消化中に分解されないのでそのまま大腸に移動し、そこに自然発生するバクテリアがこれらの糖を発酵させガスを発生させます。

ほとんどの人にとって、この現象は問題を引き起こしませんが、過敏性腸症候群を持つ人は、膨満感、胃の不快感、下痢、便秘などを経験することがあります。

そのため、過敏性腸症の症状が出た場合は、小麦や大麦を食べる量を制限することが必要かもしれません。

大麦とコレステロールと血糖値

大麦が小麦よりも優れている大きな点は、食物繊維であるβグルカンを多く含んでいることです。

実際、小麦に含まれる量が約1%であるのに対し、大麦には約511%βグルカンが含まれています。βグルカンが穀物の胚乳層に濃縮されていることから、精麦された大麦にはさらに多くのβグルカンが含まれています。

β-グルカンは、コレステロールを低下させ、血糖コントロールを改善するのに役立つことがわかっています。

例えば、34の研究からは、3080グラムの炭水化物と一緒に1日に少なくとも4グラムのβグルカンを摂取することで、血糖値が有意に低下することが分かっています。

さらに、58の研究からは、13.5グラムのβ-グルカンを摂取すると、摂取していな人に比べて悪玉コレステロールが有意に低下することが判明しました。

したがって、大麦は小麦よりも健康へのメリットが多いといえるかもしれません。

まとめ

大麦と小麦はグルテン過敏症の人には不向きです。また、過敏性腸症候群の人にも問題を引き起こす可能性があります。小麦アレルギーの人でも大麦には耐性があることが多いこともわかっています。大麦はコレステロールや血糖値の改善につながる可能性があります。

結論から言うと

大麦と小麦はどちらもイネ科に属する重要な家畜作物です。

小麦は小麦粉に製粉して焼き菓子などに使用されますが、大麦は主に皮をむいただけの状態や、精麦した形で消費されます。

どちらもグルテンを含んでいるため、セリアック病やグルテン過敏症の人には不向きです。

どちらの穀物も栄養価は高いのですが、大麦は食物繊維とコレステロールを下げるβグルカンが豊富で、小麦よりも加工時に失われる栄養素が少ないのが特徴です。しかし、パスタ、シリアル、パンなどに使用される小麦粉は製粉時に失われた栄養素を後に添加してあります。

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