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免疫力アップに最適な15のサプリメント

免疫系とは、体内に侵入したウイルスや毒素、細菌などの病原体を死滅させる防衛機構のことです。

私達の健康を維持するには、この免疫系の保護こそが重要だとされます。

免疫系の強化には、栄養価の高い食事や十分な睡眠、運動を含むライフスタイルの構築こそが重要だとされています。

さらに研究調査によると、特定のビタミンやミネラル、ハーブなどを摂取することで、免疫応答を改善できる可能性が示唆されています。

ただ一部のサプリメントの摂取に関しましては、既に服用されている処方薬や市販薬との飲み合わせに注意し、服用の際には、医療機関に相談の上で使用するようにしてください。

当記事では、免疫力アップに効果的とされる15のサプリメントについて紹介します。

1.ビタミンD

ビタミンDとは脂溶性栄養素の一つで、免疫系の機能維持には欠かせない成分です。

ビタミンDには、単球やマクロファージと呼ばれる免疫機能を司る白血球に作用することで、病原菌や炎症からの保護など、免疫応答の改善を促進します。

ビタミンDが不足すると、免疫機能に悪影響をもたらし、インフルエンザやアレルギー性の気管支喘息のリスクが増大すると言われています。

いくつかの研究では、ビタミンDが免疫応答を改善し、気道感染症の予防に繋がる可能性があることを指摘しています。

2019年、11,321人を対象に行われた比較研究では、ビタミンDが不足する被験者の呼吸器感染症リスクを著しく減少させるとともに、ビタミンDを十分に摂取している人の感染リスクを低下させたことが分かりました。

また別の研究では、ビタミンDサプリメントの摂取がC型肝炎やHIVなど、特定の感染症に対して行われる投薬治療の効果を改善する可能性があることが指摘されています。

ビタミンDの摂取推奨量には個人差がありますが、一日あたりには1,000-4000 IU、ビタミンが不足している場合は、より多くの摂取が望ましいとされます。

さらに直近では、ビタミンDCOVID-19に対する有効性を関連付けるための研究が行われ、そこではビタミンDが呼吸器系や炎症の治療を促進することが指摘されています。

こうした結果を受けて、最新の研究では、ビタミンDCOVID-19への有効性を確認するために、より多くの調査データが必要だと述べられました。

また専門家の多くは、ビタミンDCOVID-19に限らず、様々な病原菌から肉体を保護する上で有効であることも併せて指摘しています。

まとめ

ビタミンDは呼吸器感染症のリスク低下など、免疫機能の改善にとって欠かせない栄養素である。

2.亜鉛

亜鉛は免疫向上を謳ったサプリメントには、必ずと言っていいほど含まれています。

亜鉛は免疫細胞の発達や伝達に必須であり、炎症予防において重要な果たします。また組織細胞を保護することで、病原菌が体内へ侵入することを防ぎます。

亜鉛不足は、免疫機能の機能不全を招き、肺炎などの感染症、その他疾患のリスクが高まるとされます。

ある研究では、呼吸器感染症の原因の16%は、亜鉛不足に起因すると主張しています。

現在、世界の約20億人が亜鉛欠乏に陥っているとされます。亜鉛不足の傾向としては、先進国での事例は少ないとされます。また亜鉛不足は、高齢者に比較的多く見られ、高齢者全体の約三割に亜鉛が不足していると考えられています。

ただし先進国の中でも、アメリカなどでは、一般人の亜鉛不足が顕著であり、高齢者の罹患リスク増加が懸念されています。

多くの研究では、亜鉛の補給が気道感染症の予防に効果的であること、また罹患した人々への有効性についても指摘しています。

急性下気道感染症(ALRI)で入院中の子供64人を対象に、一日あたり30mgの亜鉛を投与したところ、プラセボ群と比較し、感染から入院までの合計期間が、平均2日短縮されたことが分かりました。

さらに別の研究では、風邪など一般的な疾患にも、こうした効果が認められると指摘しています。

亜鉛の長期服用については、成人で一日あたり40mg以下の規定量に基づく限り安全とされます。

ただし亜鉛の過剰な摂取は、銅の吸収を阻害したり、感染症リスクを高めることになるとされるため注意が必要です。

まとめ

亜鉛の補給は、気道感染症の予防や、罹患から完治までの期間を短縮することが示唆されている。

3.ビタミンC

ビタミンCには、免疫力の維持を助ける働きがあり、感染症予防の際、推奨される栄養素として幅広く支持されています。

ビタミンには免疫細胞の機能改善をサポートし、病原菌から肉体を保護する効果が見込まれています。さらにビタミンには、古い細胞を取り除き、新しい細胞への形成を助けることで、免疫系の循環を促進することが報告されています。

さらにビタミンCは抗酸化物質としても機能し、免疫に悪影響を与える酸化ストレスから肉体を保護します。

またビタミンCの補給は、風邪を含む上気道感染症にも有効なことが分かっています。

11,306人を対象とした大規模調査の結果、一日あたり平均1-2gのビタミンCを投与することで、成人8%、小児14%に、風邪の治癒期間が短縮されたことが認められました。

加えて興味深いのが、ビタミンCの定期的な摂取は、マラソンランナーや兵士など日常的に身体的負荷の高い人々へ特に効果を発揮したことです。研究対象を彼らに限定することで、風邪の発症リスクが最大50%まで低下したことが分かりました。

また高濃度ビタミンC点滴療法については、敗血症及びウイルス感染に起因する呼吸窮迫症候群(ARDS)など、重度の感染症患者に有効的であることが指摘されています。

他方、こうしたビタミンCの有効性については不明な部分も多く、より多くの調査が必要であるとされます。

ただし民間療法として、ビタミンCの摂取が、免疫系改善に有効であることは認められています。

ビタミンの摂取上限量は一日2,000mg、このうちサプリメントからの摂取は250-1,000mgにするのが望ましいとされます。

まとめ

ビタミンCは免疫系の機能維持に不可欠であり、ビタミンCの充足には、風邪を含む上気気道感染症を治療する上で有効であることが指摘されている。

4.エルダーベリー

エルダーベリーは古くから感染症の治療に用いられてきた経緯があり、免疫力向上効果について、現在まで数多くの研究が進められています。

試験管実験では、エルダーベリーの抽出物には、上気道感染症及びインフルエンザの原因となる病原体に対して、強力な抗ウイルス作用を持つことが分かりました。

さらに免疫系の反応を改善し、風邪やウイルス性疾患を軽症化させることについても報告されています。

また180人を対象とする比較研究によると、エルダーベリーのサプリメントには、ウイルス性上気道感染症の重症度を軽減させることが指摘されています。

さらに2004年に行われた実験では、大さじ一杯(15ml)のエルダーベリーシロップを一日4回摂取したインフルエンザ患者は、そうでない人と比べ、完治するまでの期間が4日ほど短かったことが明らかとなりました。

ただし、この研究データは最新でないことに加えて、エルダーベリーシロップの製造会社により後援されていたこともあり、研究の信頼性については疑問視されています。

またエルダーベリーシロップが特定の感染症やインフルエンザウイルスに対して有効とされる一方、過剰摂取によるリスクが指摘されています。それによると、エルダーベリーの過剰な摂取は、サイトカインの過剰分泌をもたらし、細胞の損傷に繋がるとされます。

こうした理由から、研究者の一部は、COVID-19に対するエルダーベリーサプリメントの使用は、初期症状段階にのみ認めるとの見解を示しています。

エルダーベリーがCOVID-19に有効とされるデータは現時点では存在せず、また以前からの研究も比較的古いものであることから、エルダーベリーの使用に関しては慎重視されているのが現状です。

エルダーベリーに関する研究では、以下のように結論付けられています。

・実験動物及び人体へのエルダーベリー投与は、抗ウイルス作用を示し、いくつかのインフルエンザ株の発症を阻害した

・エルダーベリーの生食には、吐き気や嘔吐、シアン化物中毒を引き起こすことから、必ず調理が必要である

・エルダーベリーは特定の資格を有する医療従事者のもとで提供される必要がある

現在、エルダーベリーサプリメントは、液体或いはカプセル状のものが多く販売されています。

まとめ

ベルダーベリーサプリメントには、ウイルス性上気道感染症やインフルエンザの症状緩和に役立つと言われている。ただし大量摂取による健康被害も報告されており、更なる研究が求められる。

5.薬用きのこ

薬用きのこは古来より感染症対策に用いられており、免疫力向上に関する様々な研究が行われてきました。

現在知られている薬用きのこ270種ほどが、免疫増強に効果的であることが分かっています。

ポピュラーなものでは、冬虫夏草やヤマブシタケ、マイタケ、シイタケ、霊芝やカワラタケなどが、免疫機能の改善に有効とされます。

いくつかの研究は、特定の薬用きのこを摂取することで、喘息や肺炎の症状を和らげ、免疫を回復させる可能性があることを指摘しています。

例えば、結核を患ったマウスに対して、冬虫夏草を投与すると、肺の症状を軽減し、炎症の防止や免疫応答の強化に繋がるという結果が得られました。

8週間に渡り、成人79名を対象に研究を行ったところ、冬虫夏草の培養抽出物1.7gを投与することで、白血球の一種であるナチュラルキラー細胞が、最大で38%活性化したことが分かりました。

その他、免疫力向上に効果的とされるのがカワラタケです。こちらは特定の癌に対して有効である可能性が指摘されています。

薬用きのこの多くは、免疫改善に有効とされ、様々な研究が行われてきました。薬用きのこは現代、チンキ剤やお茶、サプリメントなど、多種多様な形で販売されています。

まとめ

冬虫夏草やカワラタケなど、特定の薬用きのこには、免疫力の強化や抗菌作用があるとされる。

6-15.その他、免疫強化に有効なサプリメント

上記のサプリメントに加えて、以下のサプリメントにも免疫応答の改善に効果があるとされます。

・レンゲ。レンゲは漢方では普遍的に用いられるハーブで、免疫応答の改善に有効とされるデータが存在します。

・セレン。セレンは免疫系には必須のミネラルの一つで、H1N1亜型を含むインフルエンザ株に対する抗ウイルス作用があることで知られています。

・ニンニク。ニンニクには炎症防止、抗ウイルス作用があり、NK細胞やマクロファージなど白血球を保護し、免疫機能の改善を促進します。ただ人体への有効性を示すデータが不足していることも併記されています。

・アンドログラフィス。アンドログラフィスと呼ばれるハーブには、A型インフルエンザウイルスやエンテロウイルスD68など、呼吸器疾患への有効性が確認されています。

・リコリス。リコリスにはグリチルリチンを始めに、感染症予防に効果的な成分が多く含まれています。試験管研究によると、グリチルリチンにはSARSコロナウイルス(SARS-CoV)に対して、抗ウイルス作用を示すことが報告されています。

・ペラルゴニウムシドイデス。いくつかの研究では、ペラルゴニウムシドイデスから抽出される成分が、風邪や気管支炎などの呼吸器感染症の症状緩和に有効であると指摘しています。ただし、こうした効果は立証には至っておらず、更なる研究が望まれます。

・ビタミンB複合体。ビタミンB12B6を含むビタミンB群は、免疫応答の維持には不可欠とされます。またビタミンB群は成人の多くに不足する栄養素として挙げられ、免疫機能への悪影響が懸念されています。

・クルクミン。クルクミンはウコンに含まれる化合物を指します。クルクミンには抗炎症作用があり、免疫機能の改善にも有効であることが示唆されています。

・エキナセア。エキナセアにはRSウイルスやライノウイルスなどに抗ウイルス作用があり、免疫向上に効果的だと言われています。

・プロポリス。プロポリスは免疫増強に有効とされ、抗菌作用があることも示唆されています。ただし抗菌作用の立証については、より多くの研究が必要だとされます。

上記のサプリメントは、免疫機能の改善に有効と見なされる他方、人体への有効性については、研究途上にあり、今後の調査が望まれています。

まとめ

レンゲ、ニンニク、クルクミン、エキナセアなどは、人体への影響が未知数な点も存在しますが、免疫力向上に効果があると考えられています。

結論

市場に出回っているサプリメントのいくつかは、免疫機能の改善効果が見込まれていて、亜鉛やニワトコ、ビタミンCやビタミンDなどは、その代表例として知られています。

ただし、こうしたサプリメントはあくまで補助であり、ライフスタイルの中心に据えることは推奨されません。

サプリメントの摂取を考える前に、日々の食事や睡眠、運動習慣に目を向け、生活習慣の見直しを行ってください。また喫煙など、免疫系に悪影響を及ぼす行為についても控えていくことが大切です。

また薬を常用されているか、特定の疾患を抱えている場合は、サプリメントの使用前に、医療機関へ相談するようにしてください。

最後に、特定のサプリメントには、抗ウイルス作用あるとする上で、COVID-19の治療効果は確認されていないことを重ねてご理解ください。

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