
ケトジェニックダイエットは、一般的にはほとんどの人にとって健康に良いダイエットで、長期的にコレステロールの数値を下げる効果があります。しかしながら、中にはケトジェニックダイエットを上手く調節して、コレステロールの数値が上がらないように気を付ける必要がある人たちもいます。
Q:ケトジェニックダイエットは既にコレステロールの数値が高い場合、どのような影響がありますか?
A: ケトジェニックダイエットは、略してケトダイエットとも呼ばれますが、体重を減らし、体をより健康的にするために取り入れられるダイエット法です。
このダイエット法では、炭水化物の一日当たりの摂取量を20-50gに制限し、エネルギー源として、砂糖の一種であるグルコースを使う体から、脂肪の分解成分から成り立つ化学物質であるケトン体を使う体に体質を改善することを目的としています。
このように体質改善されると、体がケトーシスと呼ばれる代謝状態になります。
一般的に、ケトダイエットは健康的で安全でたいていの人にとって適したダイエット法ですが、このダイエット法の長期的な影響については更なる研究が必要でしょう。
しかしながら、腎臓疾患、肝臓疾患、家族性高コレステロール血症(遺伝性高血圧)、脂肪誘発性の脂肪血症と言った疾患を抱える人にはおすすめできません。なぜなら、このダイエット法により、それらの疾患の症状が悪化する可能性があるからです。
Ⅰ型糖尿病、胆のう疾患、遺伝的疾患のように脂肪の代謝に影響を与えるような疾患を抱えている場合は、ケトダイエットを始める前にダイエットの専門家に相談してください。
動物に対する実験結果より、ケトダイエットが胎児の成長に影響を与え、大人に対しては、心配や気分の落ち込みを増幅させることが分かっています。
また、このダイエット法では、十分摂れない栄養素がいくつかあることも分かっています。妊娠中にケトダイエットをすることが安全かどうかについては、さらなる研究が必要でしょう。
もし、あなたのコレステロールの数値が高く、ケトダイエットに興味があるのなら、あなたのコレステロールの数値と健康状態をもとに、ケトダイエットがあなたに適しているかどうか、ヘルスケアの専門家に確認してもらうことが大切です。
ケトダイエットにより、悪玉コレステロール(LDL)の数値が下がり、善玉コレステロール(HDL)の数値が上がることがほとんどの研究結果から実証されています。
なかには、ケトダイエットにより、短期的に総コレステロールと悪玉コレステロール(LDL)の数値が上がる場合がありますが、研究結果より、長期的には総コレステロールとLDLの数値が下がり、善玉コレステロール(HDL)の数値が上がることも分かっています。
既にコレステロールの数値が高い場合は、さらに上がらないように、ケトダイエットの内容を調整する必要があるでしょう。
まずは、人工的なトランス脂肪、加工肉、揚げ物などを避けましょう。なぜなら、これらの食べ物は心臓疾患にり患するリスクを高めるからです。
また、飽和脂肪を一価不飽和脂肪に変える事も一案です。飽和脂肪自体は健康に悪いわけではありませんが、一価不飽和脂肪に代えることで、コレステロールの数値を下げる事ができる可能性があるからです。
一価不飽和脂肪はアボカド、オリーブオイル、ナッツバターから摂取することができます。
オメガ3脂肪のような多価不飽和脂肪も、ケトダイエット中に摂取すると、中性脂肪の数値を下げ、HDLの数値を上げることができます。亜麻仁、チアシード、くるみ、鮭のように脂がのった魚からオメガ3脂肪を摂取できます。
最後に、ケトダイエットでは炭水化物の摂取が制限されますが、だからと言って、繊維の摂取量まで減らす必要はありません。ナッツ類、種、ベリー系、低炭水化物野菜のような繊維を多く含む食べ物の摂取を意識してください。なぜなら、繊維の摂取量を増やすことでコレステロールの数値を下げることができる可能性があるからです。