世界では何十億人の人達が、何らかの形でカフェインに依存してると言われています。
実際に、カフェインは覚醒作用のある成分として、世界共通で用いられてきた歴史があります。
ただカフェインはしばしば、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
他方いくつかの研究では、カフェインの利点についても触れています。
ここでは最新の研究データから、カフェインが人体へ及ぼす影響について考察したいと思います。
カフェインとは?
カフェインとは、お茶やコーヒー、カカオなどに多く含まれる精神刺激薬のことです。
カフェインは脳や中枢神経系に作用することで、覚醒を促し倦怠感を解消する効果がありません。
歴史家の主張では、お茶の歴史は紀元前2737年にまで遡るとのことです。
他方、コーヒーの登場はお茶より後で、エチオピアの羊飼いが、家畜の飼料として利用し始めたのが起源とされています。
やがて18世紀後半には、カフェイン入り飲料はエナジードリンクとともに、一般に流通され人気を博します。
今日では、世界の80%に及ぶ人々が毎日カフェインを摂取しており、北米では90%に上るともされます。
まとめ
カフェインは世界中で最も消費されている神経刺激薬の一つで、覚醒作用や疲労感の改善に有効とされます。
カフェインの作用
カフェインは摂取すると、素早く腸から血流へと吸収されます。
そこから肝臓で達すると、分解され各臓器へと行き渡ります。
ただし、カフェインの主な作用は脳に対してのものです。
カフェインは、神経伝達物質であるアデノシンを遮断し、疲労感や体が脱力することを防ぎます。
アデノシンは基本的に、日中の活動の中で体内に蓄積され、倦怠感を覚えさせることで眠気を誘発します。
カフェインは、アデノシン受容体が活性化することを防ぎ、脳が覚醒状態を持続することを助けます。またアデノシンの増加による倦怠感を軽減することができます。
さらに血中のアドレナリン濃度を上昇、神経伝達物質であるドーパミン、ノルエピネフリンを活性化させる可能性があります。
これにより、脳を覚醒状態へ導き、集中力の持続に効果を発揮します。カフェインはその効果から、向精神薬として扱われることもあります。
加えて、カフェインには即効性があることも報告されています。
例えば、コーヒー1杯を摂取した際、20分足らずで血中へ吸収され、1時間のうちに効果を発揮するとのことです。
まとめ
カフェインは主に脳へ作用し、アデノシンを遮断することで、脳を活性化させる。
カフェインを含む飲食物は?
カフェインは元々、特定の種子やナッツ、植物の葉に含まれる成分です。
それらを採取し加工することで、カフェイン飲料や食品が作られています。
以下には、ポピュラーな飲み物に含まれるカフェイン量(240mlあたり)について記載しております。
・エスプレッソ:240〜720 mg
・コーヒー:102〜200 mg
・マテ茶:65〜130 mg
・ エナジードリンク:50〜160 mg
・淹れたてのお茶:40〜120 mg
・ ソフトドリンク:20〜40 mg
・ カフェイン抜きのコーヒー:3〜12 mg
・ ココア飲料:2〜7 mg
・ チョコレートミルク:2〜7 mg
なおカフェインは食品にも含まれています。ミルクチョコレート28gには1〜15mgのカフェインが含まれている一方で、ダークチョコレートには5〜35mgのカフェインが含まれているとされます。
その他、風邪やアレルギーの薬、鎮痛剤など処方薬から市販薬に至るまで、カフェインは含まれています。また、ダイエットサプリにカフェインが含まれることも多いそうです。
まとめ
カフェインはコーヒーやお茶、ソフトドリンク、チョコレート、エナジードリンクなどに多く見られる。
気分や脳機能を改善する可能性について
カフェインには、シグナリング分子であるアデノシンを阻害する働きがあることが分かりました。
これにより、ドーパミンやノルエピネフリンなど、その他シグナリング分子の分泌量が相対的に増加することとなります。
この脳の伝達機能における変化が、気分や脳機能の改善に役立つとされるのです。
ある研究では、被験者に37.5〜45mgのカフェインを摂取させたところ、覚醒作用、短期記憶や反応速度の向上が見られたと報告しています。
さらに研究では、一日あたり2〜3杯のコーヒーを摂取することによる、自殺リスクの減少を指摘しています。
また別の研究でも、カフェインを日常的に摂取する人は、うつ病のリスクが13%下がることを報告しています。
ただ気分の改善については、カフェイン摂取量が多いほど良いとは言えないそうです。
研究では、コーヒーに含まれるカフェインの恩恵を受けるには、最初に飲んだ時から、最低8時間ほど空けてもらう必要があるとのことです。
一日に3〜5杯のコーヒーまたは3杯以上のお茶を飲むことで、アルツハイマー病やパーキンソン病などのリスクが28〜60%減少する可能性があるとされます。
またコーヒーやお茶には、カフェイン以外にも有益な成分が数多く含まれている事も推して知るべきでしょう。
まとめ
カフェインには気分の向上やうつ病リスクの低下、脳機能の改善によるアルツハイマー病やパーキンソン病への有効性が見出されている。
新陳代謝、脂肪燃焼を促進する可能性について
カフェインは中枢神経系に作用する性質があるため、新陳代謝を11%、脂肪燃焼を13%ほど増加させる可能性が指摘されています。
実際には、カフェインを一日あたり300mg摂取することで、79キロカロリーのエネルギー燃焼が見込まれるそうです。
一見すると微々たるものに思えますが、これを年単位で換算すると、体重1kg相当のカロリー量に値するとの事です。
ただしコーヒーをよく飲む人達を対象に行われた調査では、平均で0.4〜0.5kg相当のエネルギー消費が見込まれるに留まったそうです。
まとめ
カフェインには、新陳代謝の増加や脂肪燃焼を促す可能性がある。ただしこうした効果は、長期的かつ微々たるものである。
運動のパフォーマンスを向上させる可能性について
運動に際して、カフェインは脂肪を燃焼させる可能性があるとされます。
これにより、筋肉中のグルコースの消費が温存され、肉体が消耗するのを防ぐはたらきがあると指摘されます。
またカフェインには、筋肉量の低下を予防し、日々の倦怠感を軽減することにも繋がるとされます。
研究では、運動1時間前に、体重1kgあたり5mgのカフェインを摂取することで、持久力が最大5%まで向上することを示しています。
体重1kgあたり3mgの摂取でも、ある程度の効果が見込めるとされます。
その他研究でも、同様の効果が発見されました。
結論として、カフェインには運動のパフォーマンスを平常時より5.6%向上させ、トレーニングを円滑に進める可能性があるとされます。
まとめ
運動の1時間前に、少量のカフェインを摂取することで、運動性の向上が見込める。
心臓病や糖尿病の予防
これは知られているかもしれませんが、カフェインには心臓病のリスクを低下させるはたらきがあります。
研究の結果、毎日カップ1〜4杯のコーヒーを飲む人は、そうでない人に比べ、心臓病のリスクが16〜18%ほど低いことが分かりました。
別の研究でも同様に、コーヒーまたは緑茶を一日2〜4杯飲む人は、脳卒中のリスクが14〜20%低下することが指摘されています。
ただし留意しておくべき点は、カフェインが血圧を上昇させる場合についてです。ただ、それについては微々たるもので、カフェインを定期的に摂取する人ほど、その影響は少ないことが分かっています。
またカフェインには、糖尿病を予防する効果があることも併せて報告されています。
コーヒーを愛飲する人は、通常に比べ、2型糖尿病のリスクが最大29%低くなることが分かりました。またカフェインを多く摂取する人にも、同様の結果が見られました。
興味深いのは、ノンカフェインコーヒーを飲んだ場合でも、糖尿病リスクが21%低下したという点です。つまり、コーヒーにはカフェイン以外にも、糖尿病に有効な成分が含まれているということです。
まとめ
コーヒーやお茶には、個人差はあるが、心臓病や糖尿病のリスク軽減に役立つ可能性がある。
コーヒーの効能について
コーヒーの摂取には、いくつか健康上のメリットが存在します。
・肝臓の保護
コーヒーは肝硬変のリスクを84%減少させるといわれています。その他、病状の進行を停止、治療効果の改善、早死のリスクを低下させることが見込まれます。
・長寿効果。コーヒーを愛飲することで、早死のリスクが30%ほど下がることが分かっています。特にこれは、女性や糖尿病患者に有効であるとされます。
・がん予防効果。1日2〜4杯のコーヒーの摂取は、肝臓がんのリスクを64%、大腸がんのリスクを38%まで低減することができると言われています。
・皮膚がん予防。一日4杯以上のコーヒの摂取には、皮膚がんのリスクを20%まで低下させる可能性があると指摘されています。
・多発性硬化症(MS)の予防。コーヒーを日常的に飲む人は、多発性硬化症(MS)の発症リスクが30%ほど低くなることが指摘されています。ただしこれについては、効果を疑問視する声もいくつか挙がっております。
・痛風予防。コーヒーを一日4杯定期的に飲むことで、痛風のリスクが、男性だと40%、女性では57%も減少することが分かっています。
・腸内環境の改善。コーヒーを一日に3杯、3週間に渡り摂取することで、有益な腸内細菌の量が増加、活動が活発化することが指摘されています。
コーヒーには様々な健康上の利点が確認されています。ここでは、カフェイン以外の成分がもたらす利点について紹介しました。
まとめ
コーヒーには、肝臓や皮膚、消化管の健康を促進する効果が認められる。また長寿化や、特定の病気を予防する効果についても見受けられる。
安全性と副作用について
カフェインには習慣性が認められますが、基本的に安全な成分です。
しかし過剰なカフェインの摂取には、不安や震え、不整脈や睡眠障害を誘発する恐れがあります。
またカフェイン過多になると、頭痛、片頭痛、高血圧を招くと考えられています。
加えて、カフェインには、流産や低出生体重児のリスクを増大させると言われており、妊娠中の女性はカフェインの摂取を控えることが推奨されます。
さらにカフェインは、その他服用中の薬物と相互反応し、効果を妨げてしまう場合があります。
ザナフレックス、またはルボックスなどを服用している場合、カフェインの摂取は控えるべきだとされています。こうした薬の多くは、カフェインの摂取により、肉体へ過剰な影響を及ぼすと考えられているからです。
まとめ
カフェインは一部の人にとって、不安の増大や睡眠障害など悪影響を及ぼす可能性があるとされる。
推奨される用量
米国農務省(USDA)、欧州食品安全機関(EFSA)では、カフェインは一日400mg、コーヒーに換算するとがカップ2〜4杯までは安全であるとされます。
ただし一度に500mgのカフェインを摂取したところ、過剰摂取が確認されたとあり、その用法にも注意が必要です。
この問題については、カフェインを一度に200mg以上摂取しないことが推奨されています。
アメリカ産科婦人科学会は、妊娠中の女性に関して、カフェインの摂取を一日あたり200mgまでに制限する必要があると述べました。
まとめ
カフェインは一日400mg、一度あたり200mgまでの摂取なら安全とされる。また妊娠中の女性については、カフェインは一日200mg以下に制限する必要がある。
結論
カフェインは巷で噂されるほど、健康に害があるわけではありません。
いくつかの研究では、従来のカフェインの悪影響についての調査は不確実とし、他方ではカフェインの有用性についても論じています。
一日の用量を守ることで、カフェインの恩恵を受けることができます。
