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高血圧予防に最適な17の食べ物

高血圧性疾患は、心臓病の最たる原因であり、世界の10億人以上が高血圧症を患っているとされます。

高血圧とは、最高血圧が130 mm Hg、最低血圧が80 mm Hgの状態を指します。

通常、高血圧の治療には、ACE阻害薬などの薬剤を通じて行われますが、その他食事を含むライフスタイルの改善も、血圧を最適に保ち、心臓病予防するのに重要とされます。

栄養価や血圧に配慮した食事は、血圧だけでなく健康全般にとって大切であり、あらゆる人々に推奨されています。さらに研究では、カリウムやマグネシウムを始めとする栄養素が、高血圧の改善に特に有効であると指摘しています。

そこで当記事では、高血圧の改善に有効な17の食べ物について紹介します。

1.柑橘系の果物

グレープフルーツやオレンジ、レモンなど柑橘系の果物には、血圧を下げる効果があると言われています。ビタミンやミネラル、植物性化合物が豊富な柑橘類は、心疾患のリスクマネジメントにも最適とされます。

日本人女性101名を対象に5か月間の調査を行ったところ、レモンジュースの摂取とウォーキングなどの運動が、最高血圧の低下に効果を示したことが分かりました。この結果を受けて、研究者たちは、レモンに含まれるクエン酸やフラボノイドが関連する指摘しています。

また別の研究では、オレンジジュースやグレープフルーツジュースにも同様の効果が見られたと発表しています。ただグレープフルーツに関しては、降圧薬の働きを阻害する可能性があるため、事前に医療機関へ相談のもと、摂取していただくようお願いします。

2.オイリーフィッシュ

脂肪分が多い魚にはオメガ3が豊富で、心臓病との関係も深いことでも知られています。魚類に含まれる脂肪分には、炎症やオキシリピンによる血管収縮を防ぎ、高血圧症を改善する効果があるとされます。

ある研究では、オメガ3の摂取量が多いほど、高血圧の防止につながると指摘しています。

実際に2,036人を対象におこなれた調査では、血中のオメガ3濃度が高い人は、そうでない人に比べ、上下ともに血圧が低いことが分かりました。このことから、オメガ3脂肪酸の摂取による高血圧予防の可能性が指摘されます。

3.スイスチャード

スイスチャードは葉物野菜の一種で、血圧調整に欠かせないカリウムやマグネシウムが豊富なことで知られます。スイスチャード145gにつき、一日に必要なカリウムの17%、マグネシウムの30%を摂取することができます。

スイスチャード145gに含まれるカリウムは792gとされ、血圧が高い人の場合、カリウム0.6gにつき、上の血圧1.0mn Hg、下の血圧を0.52mm Hg減少させることが報告されています。

さらにマグネシウムは、カルシウムの心臓や動脈細胞への移動を阻害し、血管を拡張することで、血圧を調節する作用があることが分かっています。

4.カボチャの種

一見すると小さいですが、カボチャの種には多種多様な栄養素が備わっています。

マグネシウムやカリウム、アルギニン、アミノ酸など、血管を拡げ、血圧を調整する栄養素が、カボチャの種には多く存在します。

また高血圧症に対する自然療法の一つとして、パンプキンシードオイルが挙げられます。23名の女性とした実験では、一日につき3gのパンプキンシードオイルを、6週間継続で投与することで、ブラセボ群に比べ、最高血圧が大幅に低下するのが確認されました。

5.豆類

豆類及びレンズ豆には、食物繊維やカリウム、マグネシウムなど、血圧の調節には欠かせない栄養素が豊富に備わっています。

554人を対象に行われた8件の研究では、普段の食事を豆やレンズ豆に置き換えることで、最高血圧及び血圧平均を大幅に低下させることが指摘されました。

6.ベリー

ベリーはアントシアニンを始めとする抗酸化物質の宝庫として知られ、高血圧や心疾患のリスク低下にも有効であるとされます。

アントシアニンには、血中の一酸化窒素濃度を上昇させ、血管の収縮を防ぐことで、血圧を安定させる効果があるとされます。ただし、こういった効果には不確定な部分も多く、今後さらなる研究が望まれます。

ブルーベリーやラズベリー、チョークベリー、クラウドベリーやイチゴなどが、血圧降下作用があるとされるベリーの一例として挙げられます。

7.アマランサス

アマランサスのような全粒穀物には、血圧を低下させる効果があることが報告されています。

28件に及ぶ研究の結果、全粒穀物の摂取を、一日あたり30g増やすことで、高血圧症のリスクが8%低下することが示唆されました。

さらにアマランサスはマグネシウムの宝庫として知られていて、アマランサス246gで一日あたりに必要なマグネシウム38%を摂取できることが分かっています。

8.ピスタチオ

ピスタチオは栄養価が高く、カリウムなど、血圧を調節し心疾患を防ぐ働きを持つ成分が豊富なことでも知られます。

21件に及ぶ研究の総括では、ナッツ類における血圧下降効果は、ピスタチオが最も優れていたことが報告されています。

9.にんじん

カリッとした食感と高い栄養価が魅力的なにんじんには、クロロゲン酸やp-クマル酸、コーヒー酸などのフェノール化合物が多く含まれ、血圧の調整に有効なことが指摘されています。

にんじんは生で食べることで、より高血圧予防に繋がるとされます。40-59歳までの成人2,195名を対象とした調査では、生のにんじんを摂取することによる血圧下降効果が顕著に見られたことを報告しています。

さらに17名を対象に行われた小規模研究では、一日あたり473mlのにんじんジュースを3ヶ月に渡り摂取することで、最高血圧が低下したことが分かりました。ただし、最低血圧については特に変化が見られなかったとのことです。

10.セロリ

セロリには、フタリドと呼ばれる化合物が含まれていて、血管を弛緩させ、血圧を調整する効果があることが認められています。

ニンジンに関する研究では、セロリについても同様に触れられています。そこでは、市場で一般的な野菜を調理したところ、セロリに血圧下降効果が顕著に見られたことを示しています。

11.トマト

トマトにはリコピンやカリウムなど、各種栄養素が豊富に備わっています。

リコピンは心疾患のリスクを低下させることで知られ、トマトなどリコピンが豊富な食品を摂取することで、高血圧を抑制できる可能性が指摘されています。

21件に及ぶ研究の結果、トマトを摂取することで、高血圧を改善し、病気や心疾患による死亡リスクが低下することが確認されました。

12.ブロッコリー

ブロッコリーには循環器系の維持や、その他健康上の利点が数多く存在します。

ブロッコリーに含まれるフラボノイドという抗酸化物質には、血管の働きをサポートし、体内の一酸化窒素濃度を向上させます。

187,453人を対象とした研究では、週に4回ブロッコリーを摂取した被験者は、月1回以下の人と比較して、高血圧症のリスクが低下していたことが分かりました。

13.ギリシャヨーグルト

ギリシャヨーグルトにはカリウムやカルシウムが豊富で、高血圧を予防する効果があります。

28件に及ぶ研究の結果、一日に3回、乳製品を摂取した人は、高血圧症のリスクが13%減少、200gの摂取につき5%のリスク低下が見られたとのことです。

14.ハーブ、スパイス

特定のハーブやスパイスは、血管を拡張し、血圧の下降を促すことで知られています。

動物及び人体による調査の結果、セロリシードやコリアンダー、サフラン、レモングラス、ブラッククミン、ジンセン、シナモン、カルダモン、スイートバジル、ジンジャーなど、数多くのスパイス、ハーブ類に血圧を低下させる効果が見られました。

15.チアシード、フラックス

チアシードやフラックスには、カリウムやマグネシウム、繊維質などが豊富で、血圧を適正に調節する手助けをしてくれます。

高血圧の26名を対象に12週間の小規模研究を行ったところ、一日あたり35gのチアシードには、薬の服用の有無に関わらず、血圧の下降が見られ、プラセボ群と比較しても、優位な効果を発揮したことが分かりました。

さらに11件に及ぶ研究では、フラックスの摂取、特に12週間以上に渡り用いた場合、血圧の低下が顕著に見られたことが報告されています。

16.ビーツ

ビーツは栄養価に優れ、硝酸塩が豊富なことから、血圧を正常に保つ上でも有効とされます。

いくつかの研究は、ビーツを食事に取り入れることで、高血圧の予防につながると指摘しています。

高血圧症を患う24名を対象とした研究では、ビーツ250g、あるいはビーツジュース250ml2週間にわたり摂取することで、血圧の大幅な低下が見られたと報告しています。この際、ビーツジュースにより有意な効果が見られたことが併せて述べられています。

その他研究でも、ビーツの摂取による高血圧の改善効果を主張していますが、なかには、こうした効果に批判的な研究も存在します。

例えば、いくつかの研究では、ビーツによる血圧下降は一時的なものであり、長期的な効果をもたらさないことを指摘しています。

17.ほうれん草

ほうれん草はビーツと同様に、硝酸塩が豊富で、抗酸化物質やマグネシウム、カリウム、カルシウムなど各種栄養素にも秀でており、高血圧予防には最適とされます。

27名を対象とする7日間の研究では、ほうれん草のスープを1500ml摂取した人は、アスパラガススープを摂取した人と比べ、上と下の血圧両方が低下したことが分かりました。

また、ほうれん草のスープには、動脈硬化を予防し、心疾患のリスク低下につながるとも考えられています。

結論

ライフスタイルの改善に並行し、日々の食事を充実させることで、高血圧の予防や心疾患のリスク軽減が見込めます。

葉物野菜やベリー、豆、レンズ豆、種子類、オイリーフィッシュ、柑橘類、にんじんなどの食品には、血圧を適正に保つ効果があることが指摘されています。

この記事で紹介した食品を、普段の食事に取り入れて、高血圧症の予防や健康的なライフスタイルの構築を目指してみてはどうでしょうか。

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