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ヒバマタ(学名:Fucus vesiculosus)は、褐色の海藻の一種であり、昔から医学療法にも使われてきました。海外では、ブラダーラック、ロックウィード、レッドフクサス、ダイアーズフクサス、ロックラック、ブラックタン、ブラダーフクサスなど色々な名前で知られています。
高さ90cmにまで成長し、大西洋、太平洋、北海、バルト海、カナダと米国の様々な海域の海岸線に沿って成長します。
ヨウ素欠乏症、肥満、関節痛、皮膚の老化、消化器系の問題、尿路感染症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫などの甲状腺機能障害など、さまざまな症状の治療に何世紀にもわたって伝統的な薬草療法として使用されてきました。
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれており、ヒバマタの栄養素は健康に良いと言われていますが、実際の効果は研究で確認されているものではないという批判の声もあります
この記事では、ヒバマタの利点、用途、副作用など、様々な視点からまとめました。
ヒバマタの栄養
様々な文化において、海藻は何世紀にもわたって、食文化の一部として摂取されてきました。
ヒバマタは海藻の一種で、カルシウム、ヨウ素、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、ビタミンAとCなどのビタミンとミネラルが豊富に含まれています。
また、ファイトケミカルも多く含まれています。フロロタニンやフコキサンチンといったファイトケミカルと呼ばれる植物性化合物は、体内のフリーラジカルと高酸素物質のレベルのバランスが崩れて起こる酸化ストレスを低下させるのに役立つ可能性があると言われています。
ヒバマタは食物繊維が豊富で、腸の健康にも有益です。特に、アルギン酸とフコイダンが多く含まれており、どちらも健康増進効果があることが示されています。
まとめ
ヒバマタには、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルとして知られる健康増進効果のある植物性化合物が豊富に含まれています。
健康への影響
ヒバマタの健康効果は色々なものが主張されていますが、体重減少、関節炎、関節痛、不妊症、尿路感染症への使用は、十分な証拠を持って証明されたものではありません。
ヒバマタの研究のほとんどは、甲状腺や皮膚の健康、抗炎症作用への効果に関係するものです。
甲状腺機能
ヒバマタには、ヨウ素が多く含まれており、このヨウ素は甲状腺の健康に重要なトリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)というホルモンの生成をサポートします。これらの甲状腺ホルモンは代謝を調整し、適切な成長と神経学的発達をサポートします。
ヨウ素の欠乏は、T3とT4のレベルを低下させ、最終的に甲状腺腫や甲状腺機能低下症などの健康合併症を引き起こす可能性があります。これによって、体重増加、疲労、乾燥肌、寒さに対する過敏性などの症状が引き起こされます。
発展途上国では一般的ですが、ヨウ素欠乏による甲状腺機能低下症は、米国や他の先進国ではまれです。むしろ、甲状腺機能低下症は、主に橋本病として知られている自己免疫疾患に関連しています。
甲状腺の健康をサポートすることができるミネラルであるヨードが多く含まれているヒバマタですが、サプリメントを摂取したり、ヒバマタを大量摂取することで、ヨードの過剰摂取になることがあります。
健康な人の多くは、ヨウ素を過剰に摂取しても安全には問題がありません。しかし、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症など甲状腺に関する疾患を持つ人は気を付ける必要があります。甲状腺の疾患の原因が要素欠乏でない場合は、ヨウ素の過剰摂取が症状の悪化につながる可能性があるからです。
安全のためにも、ヒバマタのサプリメントを摂取する前に、かかりつけの医師に相談するのが一番です。
抗炎症効果
ヒバマタには、抗酸化物質であるフロロタンニン、フコキサンチン、アルギン酸、フコイダン、ビタミンA、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
特に、フロロタンニンとフコキサンチンは、抗酸化活性が高く、フリーラジカルを除去する力を持っていることが知られています。フリーラジカルは、活性酸素とともに増えすぎると細胞にダメージを与え、慢性疾患や早期老化につながる有害な化合物です。
いくつかの非臨床実験やネズミを用いた動物実験からは、ヒバマタのような褐藻類には有望な抗炎症作用の効果や、腫瘍の成長、血糖値、および心臓病のリスクを減少させる働きがあると期待されています。
さらに、男性40,707人並びに女性45,406人を対象とした大規模な研究では、海藻類を毎日摂取することで心臓病のリスクが12%減少したことが明らかになりました。
但し、今紹介したこれらの研究と血糖値コントロールの改善が示されたもう一つの研究以外に、ヒバマタの効果に関する臨床実験はほとんど行われていません。理論的には、ヒバマタは抗炎症作用をもたらすと期待されていますが、確証をとるためにはより多くの研究が必要です。
肌の健康
ヒバマタは、セルライト、皮膚の老化、火傷などの皮膚の問題の局所治療として使用されてきました。
研究の初期段階では、ヒバマタの抗酸化物質、すなわちフコイダンが皮膚のコラーゲン生成を促進し、セルライトの見た目を改善、皮膚の治癒力を高め、皮膚の老化を遅らせることが示されています。
2段階に分けて行われた研究の第1段階では、皮膚サンプルにヒバマタ抽出物を塗布したところ、プラセボに比べてコラーゲンの生成が228%増加しました。
研究の第2段階では、ヒバマタ抽出物と他の藻類からのエキスの混合物を脚のもも部分の皮膚に12週間塗布して試験がされました。プラセボ製品と比較して、藻類混合物は、セルライトの外観と皮下脂肪の厚みを減少させ、大きな変化をもたらしました。
1%のヒバマタ抽出物を含む外用ジェルを使用した他の古い研究からも、コラーゲン生成との関連性が確認されています。
また、ヒバマタの高い抗酸化物質含有量は、皮膚に塗布することでコラーゲンとエラスチンの破壊を減少させる可能性があるとも言われています。コラーゲンとエラスチンの破壊を防ぐことは、若々しい肌の見た目を保つことに重要です。
残念ながら、長期的にこれらの効果を検証した研究はまだ満足ではありません。さらに、肌の健康を促進するためのヒバマタを食品やサプリメントとして消費することを肯定する研究は今存在していません。
まとめ
ヒバマタにはヨウ素が多く含まれており、甲状腺の健康を害する可能性があります。しかし、抗酸化物質が多く含まれているため、酸化ストレスを減少させ、肌の自然なコラーゲン生成を促進するなどの効果があると言われています。
注意点と副作用
一般的にヒバマタは安全だと認識されていますが、好ましくない副作用が発生する可能性があるとも言われています。
ヒバマタ抽出物を皮膚に塗布することは安全であると言われていますが、開いた傷口や切り傷への塗布は避け、発疹などの副作用が出た場合は使用を中止してください。
他の食用海草と同じように、ヒバマタは少量であれば食べても安全に問題はありません。しかし、ヨウ素、塩分、重金属が多く含まれており、サプリメントとして摂取された場合には健康上のリスクをもたらす可能性があります。
ある事例では、60歳の男性が双極性障害の治療薬であるリチウムと一緒にヒバマタのサプリメントを摂取したことで、甲状腺機能亢進症を発症しました。ただし、ヒバマタのサプリメントの服用をやめたことで、男性の甲状腺レベルは正常に戻ったとのことです。
甲状腺疾患を持つ人だけでなく、妊娠中や授乳中の女性もヒバマタを避けた方が良いかもしれません。さらなる研究が進むまでは、ヒバマタのサプリメントの摂取は避け、摂取したい場合は一度医師に相談してください。
さらに、ヒバマタは、血液抗凝固剤(ヘパリン、ワルファリンなど)、抗不整脈薬(アミオダロンなど)、甲状腺薬、セントジョーンズワート、イチョウ葉、バレリアンルートなどの他の薬やハーブ製品と干渉する可能性があります。
健康状態にかかわらず、ヒバマタを服用する前には必ず医療機関に相談するべきです。
まとめ
ヒバマタにはヨウ素、塩分、重金属が多く含まれているため、甲状腺疾患のある人、特定の薬を服用している人、妊娠中や授乳中の女性には、安全でない可能性があります。必ず最初に医療専門家に相談してください。
ヒバマタの摂取方法と適切な量
ヒバマタは様々な形で摂取が可能です。
ヒバマタは、乾燥物、粉末状、カプセルなど様々なかたちとしてオンラインや、一部の健康食品店で購入可能です。また、お茶としても販売されています。
ヒバマタに関する研究は限られているため、ヒバマタの標準的な推奨用量は定められていません。しかし、ほとんどのヒバマタサプリメントは、500ミリグラムずつとなっています。
ヒバマタのお茶を淹れるには、約250mlのお湯に対して1つのティーバッグを使い、約4-5分蒸らします。沸騰したお湯に乾燥したヒバマタを小さじ1杯入れ、10-15分ほど煮ても良いでしょう。
ヨウ素やその他の有効成分を過剰に摂取しないように、安全性に関する研究が進むまでは、1日2杯(500mL)以下に制限するのが最適でしょう。
まとめ
ヒバマタは、乾燥させたもの、粉末状のもの、サプリメントもしくはお茶として購入することが出来ます。標準推奨容量を定めるためには、さらなる研究が必要とされています。
結論から言うと
ヒバマタは、何世紀にもわたって自然薬として使用されてきた褐色の食用海藻です。乾燥させたもの、粉末にしたもの、サプリメント、お茶、と様々な摂取方法があります。
様々な健康への効果が主張されていますが、限られた研究結果ではあるものの、ヒバマタは肥満、関節痛、不妊症、尿路感染症などの特定の問題に効果的な治療法であると言われています。
ヒバマタには抗酸化物質が多く含まれるため、経口的に摂取すると炎症を抑えるだけでなく、局所的に塗布するとコラーゲンの生成を増加させることで皮膚の健康を促進する効果があるともいわれていますが、効果の検証には更なる研究が必要です。
甲状腺疾患のある人や特定の薬を服用している人は、医療専門家からのアドバイスがない限り避けた方が良いでしょう。また、安全性の確証が取れていないため、妊娠中や授乳中の女性にはお勧めできません。
ヒバマタを試してみたい方は、まず医療機関に相談して自分に合っているかどうかを確認するのが良いでしょう。