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メーガン妃がメンタル危機を語ることで救われる人がいる理由とは?

 

・研究によると、有名人が自分のメンタルヘルス状態の経験を明らかにした後、メンタルヘルスのサポートを求める人の数が増えることがわかっています。

・オプラとのCBSインタビューで、メーガン妃は、妊娠中にうつ病と自殺願望があったことを語りました。

・専門家は、メーガン妃が自身の経験を赤裸々に語ったことで、この問題がいかに身近なものであるかが認識される機会となったと言います。

 

過去数年で不安症状やうつ病患者の割合が急増しているにもかかわらず、メンタルヘルスは人々が治療したり助けを求めたりしにくいようなマイナスのイメージを持たれ続けています。

そのため、メンタルヘルスの症状が悪い人の多くは、自分自身を恥じ、孤独を感じています。

他の誰かが自身のメンタルヘルスの問題について話しているのを聞くだけで、それが親しい友人であれ、世界で活躍する有名人であれ、大きな影響があります。

有名人が自分のメンタルヘルス状態の経験を明らかにした後、メンタルヘルスのサポートを求める人々の数が増えることがわかっています。

英国王室の一員であったメーガン・マークル妃が彼女のメンタルヘルスの危機について話した後、そのインタビューが大きな話題になっています。

「私はもう生きたくありませんでした。それは非常に明確で現実的で、真に迫った恐ろしい考えが続いたのです」とメーガン妃はCBSで放送されたオプラとのインタビューで述べました。

インタビュー放送後、うつ病と自殺願望についての見出しが急上昇しました。

専門家は、うつ病や自殺願望の経験についてメーガン妃がオープンに語ったことは、それがどんな立場・どんな人であっても身近なものであることを物語っています。

セントルイスにあるワシントン大学医学部精神科の助教授、ジェシカ・ゴールド博士は、「メンタルヘルスについて語ることができる環境にすることが重要です。『私はこういう状況』と言える社会にすることが大事だからです。人が言うと自分も言いやすくなり、そこから対処法を見つけることができるのです。」と言います。

 

メンタルヘルスのネガティブイメージ

現在の社会では、依然としてメンタルヘルスにはマイナスイメージが根強いです。

そのイメージと差別はあらゆる形で現れます。それらは、仕事探しや交友関係、住居の確保、社会計画にまで影響を与えます。

そのため、助けを求めるのが遅れ、余計に悪い方向に進んでいきます。

研究によると、メーガン妃のような有名人が、自分のメンタルヘルスの問題についてオープンにすることで、それがどれほど一般的であるかを明らかにすることができます。

彼らの話は、メンタルヘルス問題は一般的で恥ずかしくないというイメージを持つことができ、困っている人たちが助けを求めやすくなります。

British Journal of Psychiatryによると、ダイアナ妃が過食症であると明らかにした後、過食症の治療を受ける女性の数は2倍になりました。

そして、これは王室だけに限定されていません。

米国では、歌手デミ・ロヴァートが双極性障害を告白したあとも、否定的な意見をもつファンはほとんどいないと言います。

他の誰かが自分と同じ経験をしていると知ることは、彼らの孤独感を和らげることができます。

メーガン妃のような人がうつ病や自殺願望があったと知り、これは誰にでも起こりうることだと気づくのです、とゴールド博士は言いました。

ワシントンDCのハワード大学の精神科医、ダニエル・ヘアストン博士は、多くの人がメーガン妃と同じ経験をしており、彼女がオープンに話すことで、他の人もそれができるようになると述べています。

「ほとんどの人が自殺願望について話すことはありません。話すとしたら、自殺後になぜその人が自殺したのかという原因を探るときくらいです」

「私たちは、誰かが自殺を試みたとか、自殺願望があり助けを求めたとか、助けてあげたいとか、そういうことは話しません」とゴールド博士。

ヘアストン博士は、インタビューで弱さと強さを示したメーガン妃は、メンタルヘルスのネガティブイメージをを変える力があると言います。

「メーガン妃の告白により、他の人たちも真実を話せるようになるかもしれません。」

 

有色人種の人々のために道を作る

メーガン妃の告白は、精神面でつらい思いをし、差別に直面している有色人種の道を開くことにもなります。

黒人コミュニティは、うつ病や不安神経症の発生率が高いにも関わらず、メンタルヘルスケアへのアクセスが不足していることがよくあります。

また、医療分野への不信感もあります。歴史的にみて、医学界では誤診や悪用などが多いのです。

「多くのメンタルヘルスの医療機関は現金のみの診療を行っており、これは多くの人々にとって受診がしにくい状況です。この国の心理学者と精神科医の大多数は有色人種ではありません」とヘアストン博士は述べています。

精神疾患のある黒人アメリカ人の約3人に1人が治療を受けます。

「メーガン妃は、米国や世界中で多く女性が困難と闘っている有色人種です。彼女の状況は多くの女性に関係があります。同じ状況の女性が同じことをする勇気をもらったでしょう」とヘアストン博士は言いました。

 

最初の一歩を踏み出す

助けが必要だと言うことは最初のステップですが、それは簡単なことではありません。

あなたが信頼し愛する人に、サポートが必要であることを伝えてください。

健康保険に加入している場合、保険会社に連絡して、おすすめのメンタルヘルス医療機関を教えてもらうことをお勧めします。

保険に加入していない場合、ほとんどの都市で無料または割安の受診方法があるはずです。地元の病院やソーシャル団体を検索してみてください。

ゴールド博士は、友人や家族に、セラピストを見つけるのを手伝ってもらうことをお勧めしています。うつ病を患いながらたくさんのセラピストに電話して受診可能か聞く作業は非常に大変です。

あなたがもし今は自殺願望を持っていないが、以前に経験がある場合、その対処法などを考えておくとよいです。

「メンタルヘルスの問題がない人でも、周りにそういう人がいるかもしれません。メンタルヘルス問題は恥ずかしいことではなく、支えてあげる必要があります。」