
ミネラルは土壌や食品に含まれる、生きる上で必要不可欠な成分です。例えば、心臓や脳を働かせることや、ホルモンや酵素をつくることにミネラルが必要となってきます。ミネラルは人間のからだがどのくらい必要かに基づいて2つのカテゴリーに分けることができます。マクロミネラル(多量ミネラル)はからだが大量に必要とするミネラルで、カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩化物、リン、マグネシウムなどが含まれます。そして、トレースミネラル(微量ミネラル)は鉄、銅、フッ化物、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン、要素、マンガンなどで、同じくらい大切な役割を果たしますがからだに必要な量はきわめて少ないです。
ミネラルは様々な食品に含まれますが、特定のものは特に大切な栄養価が豊富です。
16のミネラル豊富な食べものを紹介していきたいと思います。
1. ナッツやたね類
ナッツやたね類は様々なミネラルでいっぱいですが、特にマグネシウム、亜鉛、マンガン銅、セレンそしてリンが豊富です。ミネラルが他のナッツやたねより豊富なものもあります。例えば、ブラジルナッツひとつで一日に必要なセレンの174%を補え、¼ カップ(28グラム)のかぼちゃの種で一日に必要なマグネシウムの40%を補えるのです。ナッツやたね類はそのままでも簡単な健康に良いおやつになり、バター状にすればスムージーやオートミールに混ぜることも果物や野菜と一緒に楽しめることができます。
2.貝類
カキやホタテ、ムール貝などの貝類はミネラルに富んでいて特にセロン、亜、鉛、銅、鉄が豊富です。およそ6つ(84グラム)のミディアムサイズのカキを食べることで一日に必要な亜鉛や銅を補えながら、30%のセロン、22%の鉄を補給できます。亜鉛は免疫やDNA製造、細胞分裂やタンパク質の製造に不可欠です。
妊婦や授乳中の女性、胃腸疾患のある方、特定の薬を服用されている方、思春期やご年配の方などは亜鉛不足に陥りやすく、免疫作用やからだの成長妨げたり、病気に感染するリスクを高めてしまうかもしれません。貝類は亜鉛に富んでいるので、この大切な栄養価が不足しないように気をつけたい方にはおすすめの食品です。
3. アブラナ科植物
カリフラワー、ブロコッリー、スイスチャードや芽キャベツなどのアブラナ科植物は慢性疾患などの予防などたくさんの利点があります。アブラナ科植物が体にいいとされるのは、ミネラルなどの栄養価がとても豊富に含まれているからです。
特にブロッコリー、ケール、キャベツ、クレソンなどはDNA製造、デトックス、そしてからだでつくられる強力な抗酸化物質であるグルタチオン合成に必要な硫黄を多く含みます。硫黄の他にアブラナ科植物はマグネシウム、カリウム、マンガンそしてカルシウムに富んでいます。
4. 臓物
鶏肉やステーキと比べては人気が劣りますが、臓物は最もミネラル豊富な食品の一つです。例えば、牛のレバー一切れ(85グラム)で一日に必要な銅をカバーしながら、55%のセロン、41%の亜鉛、31%の鉄、33%のリンも補えます。また、臓物はタンパク質やビタミンB12、A、葉酸などのビタミンも豊富なのです。
5. 卵
卵はもっともな理由でよく自然のマルチビタミンと言われます。栄養価が高く、重要なミネラルを補えるからです。卵は鉄、リン、亜鉛とセロンの他にたくさんのビタミン、善玉脂肪、抗酸化物質そしてタンパク質を含みます。コレステロールを抑えるため卵の黄身を避ける人もいますが、黄身にほとんどのビタミンやミネラルなどの健康的な成分が含まれているので、なるべく白身だけではなく黄身も一緒に食べましょう。
6.豆
豆には植物繊維とタンパク質があるとよく知られていますが、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、カリウム、マンガン、銅や亜鉛などのミネラルも多く含んでいます。しかしながら、豆にはフィチン酸という栄養の吸収を妨げる反栄養素も含んでいます。けれども、豆を発芽させたり、浸して調理することによってミネラルを活性化させることができると研究によって証明されました。
7.カカオ
スムージーにカカオを入れる、ダークチョコレートを食べる、ヨーグルトに砕いたカカオの実をかけることで、より多くのミネラルを体に取り入れることができます。栄養価が高いというイメージはないかもしれませんが、カカオやカカオ製品はミネラルでいっぱいなのです。特にマグネシウムと銅が多いと言われています。マグネシウムはエネルギー源でもあり、血圧、神経、血糖値などを正常に働かせるためにも必要とされています。銅は成長、他の身体機能に加え、水化物代謝、鉄分の吸収、赤血球の生産に欠かせない成分です。
8.アボカド
アボカドはクリーミーな触感があり、善玉脂肪、食物繊維、ビタミンやミネラルを豊富に含みます。特に、マグネシウム、カリウム、マンガンと銅に富んでいます。
カリウムは血圧調節や健康的な心臓に欠かせません。研究によると、アボカドなどのカリウムを多く含む食事は心臓病や脳卒中を防ぐ役割があるそうです。33件(計128,644人)の研究は、カリウムを多く摂取することにより脳卒中のリスクを24%下げ、心臓病につながる高血圧も改善したという結果を出しました。
9.ベリー
イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどはおいしいだけではなく、ミネラル豊富な果物でもあります。ベリーはカリウム、マグネシウムとマンガンを多く含みます。マンガンは免疫と神経機能や代謝機能に欠かせない成分です。また、マンガンは骨や結合組織の成長・維持、そして酸化損傷から細胞を守る抗酸化物質の生成に携わっています。
10.ヨーグルトとチーズ
ヨーグルトやチーズなどの乳製品はカルシウムをとるのにうってつけの食品です。カルシウムは骨を丈夫にし、神経や心臓を健康に保たせます。たくさんの人、特にご年配の方がカルシウム不足に陥っているという研究結果もあります。乳製品はカルシウムを摂取するのに適した食材で、他にもカリウム、リン、亜鉛やセロンなどのミネラルも豊富です。しかしながら、乳糖不耐症の方もいます。乳製品が食べることができないのであれば、豆、ナッツ、緑色の野菜などカルシウムを多く含む食品に頼る必要があります。
11. イワシ
イワシは栄養が詰まっていて、元気でいるためのビタミンやミネラルがほぼ含まれています。一缶(106グラム)のイワシで27%のカルシウム、15%の鉄、 9%のマグネシウム、 36%のリン、8%のカリウム、 88%のセロンを補えます。また、炎症を抑える働きのあるオメガ3脂肪酸がたくさん詰まっているのです。
12. スピルリナ
スピルリナは青緑色の藻ですが、よくパウダー状で売られていて、スムージーのような飲み物、ヨーグルトやオートミールなどの料理に使われます。鉄、マグネシウム、カリウム、銅やマンガンなどのミネラルが豊富で、スピルリナは色々な面で健康にいいとされます。例えば、スピルリナは心臓病に繋がる悪玉コレステロールを抑える働きがあると実験結果が示しました。
13. 古代穀物
アマランス、キビ・アワ・ヒエなどの雑穀、キヌアそしてモロコシなどの古代穀物もまた健康にいいことをもたらすと言われます。精製された穀物と違って、古代穀物はマグネシウム、カリウム、リン、亜鉛、マンガン、銅などの大切な栄養価を豊富に含んでいます。精製された穀物や白米、精製小麦粉、白パンなどの食品を古代穀物でつくられた食品に代えることで、ミネラルを大幅にからだに取り込むことができます。
14. でんぷん質の野菜
サツマイモ、ジャガイモ、バターナッツ・スクワッシュやパースニップのようなでんぷん質の野菜は白米やパスタの精製炭水化物の代わりとしてぴったりです。でんぷん質の野菜は栄養価が高く、食物繊維、抗酸化物質、ビタミンやミネラルが豊富です。たくさんの人が糖質が高いのでこういった野菜を避けてしまいますが、でんぷん質の野菜は実は栄養価が高く、カリウム、マンガン、カルシウム、鉄、銅などが多く含まれています。
15. トロピカルフルーツ
トロピカルフルーツは熱帯地方・亜熱帯地方で育つ、バナナ、マンゴー、パイナップル、パッションフルーツ、グアバ、パラミツなどの果物です。抗酸化物質、食物繊維、ビタミンに加え、カリウム、マンガン、銅、マグネシウムといったミネラルを多く含みます。トロピカルフルーツの中でとりわけ人気なバナナはカリウム、マグネシウム、マンガンなどのミネラルが豊富です。ミネラル、ビタミン、食物繊維、抗酸化物質をより多く摂るために、スムージーに冷凍トロピカルフルーツを入れたり、オートミール、ヨーグルト、サラダに合わせたりしてみてください。
16. 緑色葉野菜
ほうれん草、ケール、ビートの葉、ルッコラ、エンダイブ、カラードグリーン、クレソンやレタスなどの緑色葉野菜は最も健康的な食品です。マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅などのからだに良いミネラルを含んでいるだけでなく、病気予防に繋がります。緑色葉野菜を食べることで、心臓病、ある種の癌、糖尿病になるリスク、様々な病気で亡くなるリスクを下げます。緑色葉野菜のいいところは色々な形で楽しめるところです。スムージーにケールを加えたり、ビートの葉を卵と炒めたり、これらの野菜を混ぜて栄養価の高いサラダを作ってみるのはいかがでしょうか。
結論
ミネラルは健康に欠かせないもので、多く取り込むことで健康を維持することができます。しかしながら、たくさんの人はミネラル不足に陥っています。
紹介した健康的な食品は様々なミネラルを含むので、そのような悩みを解決することができます。食事にこれらの食品をなるべく多く取り込んでください。ミネラルをふんだんに摂れるだけでなく、病気予防や食事の質を上げることができるでしょう。